小論文

太平洋法律事務所では、年2回「太平洋 NEWS LETTER」を発行しています。
その中から皆様に有益な情報を抜粋してこちらで公開しています。

2017年 冬号

 民法(債権法)改正が、遅々として進まない中で、消費者契約法、特定商取引法などの消費者法関連の法改正が進む。消費者法の発展はドッグイヤーだ。民法(債権法)改正の中で消費者保護規定の盛り込みが提案された。異論はあるものの、それが奏功しなかったことは、消費者法の今後の展開にとって幸いだった。消費者と事業者間では、これまで「情報の質・量、交渉力の構造的格差」が言われ、その是正が求められてきた。これは情報・交渉力の「強者・弱者」という観点で捉えるものだ。これを、取引主体の属性ではなく、情報の質・量、交渉力に構造的格差がある「関係」と捉えれば、顧客の事業者への「依存性」が浮かび上がり、ここでは「依存関係」の濫用が是正対象となる。消費者契約法での「過量販売」規制は、その一環と評価できるが、このような関係は、消費者取引に止まらない。依存関係を規制する法理に「信認義務」論があり、わが国でもその導入に向けた議論が進められていると聞く。影響するところは大きく、妙な規制にならないように注意しなければならない。

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