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日弁連の第13回弁護士業務改革シンポジウムが11月に鹿児島市内で行われました。
1985(昭和60)年から始まった今回のシンポジウムは、司法制度・弁護士制度改革の大きなうねりを受けて、「激動の中の弁護士業務改革~良質かつ多様な法的サービスの提供に向けて~」をメインテーマとし、具体的には、法律事務所の基本的な構成員ともいうべき事務職員との協働のあり方(第1分科会)、法律事務所にとって今や欠くことのできない重要なツールであるITの役割とその活用方法(第2分科会)、弁護士の自治体・議会に対する役割とその役割を果たすための業務体制のあり方(第3分科会)の3つの課題がとり上げられて議論されました。
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私自身は、NPO法人法律専門秘書教育協会(2002年8月に設立)に関わり、法律事務所、司法書士事務所、行政書士事務所、自治体や企業法務部等で働く実務的法律知識・技能を有するパラリーガルやリーガルセクレタリー(私たちは法律専門秘書と呼んでいます)の教育・養成やその資格認定に関心を持っていることから、第1分科会に参加しました。
第1分科会では、「事務職員との協働による業務革命~多様化する法律事務所の新たな展開~」というサブテーマの下で、弁護士と事務職員との間の組織的な連携の可能性やその効果・程度、そのための両者の関係のあり方等が議論され、法律事務所としての執務能力向上のための具体的体制のあり方が検討されました。また、これに関連して、ドイツの法律事務所での事務職員の役割と協働の姿や日弁連が提案しているパラリーガル認定制度の報告が行われました。
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以下に第1分科会における議論の内容のいくつかを紹介します。
まず、市民にとって身近な法的サービスを真に充実させ、迅速、丁寧且つ合理的な費用で法的サービスを提供するためには、事務職員との「協働」という発想を持ち、法的サービス提供についてのパートナーとして事務職員を捉えることが重要であるとして、「協働(チームワーク)」型の法的サービスの提供という観点が強調されたことです。
そして、そのためには、弁護士と事務職員との間に「尊敬と尊重」の関係が構成される必要があり、弁護士が事務職員を信頼し責任ある職務を遂行させ、他方、事務職員は自らの能力向上に努め、弁護士は事務職員の努力と成果に対して正当な評価と待遇をもって臨むことが不可欠なことが議論されました。
この弁護士と事務職員との「チームワーク」という視点が第1分科会の議論の基調となりましたが、その他、パネリストの1人である弁護士の「戦略(方針の決定)は弁護士、戦術(手段の実行)は事務員」の役割であるとの共働の趣旨に関する発言や「雇用から委任へ」という弁護士と事務職員との契約関係に関する発言が強く印象に残りました。
また、同じくパネリストの1人である民事訴訟法学者からは、法律事務所において提供される法的サービスの指針は「依頼者の自立支援」と「フェアーなサービス」であり、法律事務員はこの弁護士の法的サービスの提供を幅広くサポートする役割を担っている旨の提言があり、実態調査の分析に裏付けられた貴重な示唆を受けたことを付言しておきます。