2023年12月から太平洋法律事務所の一員となりました弁護士の堀貴晴と申します。
入所して約1年が経ちますが,これまで多種多様なご依頼を受け,日々忙しく業務に当たっております。
今回は,ニセ広告被害に関するMeta Platforms, Inc.(以下,「メタ社」といいます)への提訴についてご報告させていただきます。
令和5年ころからメタ社が運営するSNS(フェイスブック及びインスタグラム)において堀江貴文氏や前澤友作氏らの有名人・実業家の画像や名前を無断で使用して同人らになりすまし,投資に誘導するニセ広告が横行するようになり,ニセ広告をきっかけとする投資詐欺の被害も急増しました。
詐欺の手口は,有名人をかたる広告により興味を持たせ,広告をクリックした被害者をLINEなどに誘導した上,多数のサクラがメンバーとなっているグループLINEでのやりとりにより信用させた上で,有名人のアシスタントなどと名乗る人物が投資を勧誘するというものが一般的です。
しかし,このような詐欺を行うグループは海外に拠点を置いていることが多いため,住所・氏名等による個人の特定が難しく,詐欺グループに対する直接の責任追及が難しい状況にありました。
そこで,ニセ広告を掲載しているSNSを運営するメタ社に対して,広告を掲載したことについてのプラットフォームとしての責任を追及するべく有志の弁護士によるニセ広告被害弁護団を結成しました。
そして,弁護団では,メタ社及びその日本法人を被告として訴訟提起を行いました。
(SNS事業者に対して,広告掲載主体としての責任を問う訴訟は,全国初であると思われます)
第一次訴訟については,被害者4名を原告として,神戸地方裁判所に提訴しました(メタ社の日本法人については令和6年4月25日提訴,メタ社については同年6月25日提訴)
第二次訴訟については,被害者30名を原告として,埼玉・千葉・横浜・大阪・神戸の各地方裁判所に一斉提訴をしました(同年10月29日提訴)。
また令和7年には第三次訴訟を提訴する予定であり,弁護団では現在その準備を進めています。
現在,第一次訴訟や第二次訴訟(の一部)については既に期日が開かれており,審理が進められていますが,メタ社内部における広告審査体制がどうなっているかなどいまだ不明な部分もあります。
弁護団としては今後も訴訟の中でメタ社の責任を明らかにすべく主張・立証に力を尽くしたいと考えております。
なお,ニセ広告被害弁護団へのお問い合わせ・相談は
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もしくは
ニセ広告被害弁護団のホームページ
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