2025年活動報告(日髙清司)

2025年12月26日

弁護士日髙 清司

当事務所のニュースレターの発行をしばらく中断して近況報告ができていませんので、年末にあたりこの1年の活動をご報告したいと思います。

(紅麹サプリ被害救済弁護団)
昨年末のコラムで、大阪弁護士会消費者保護委員会第4部会のメンバーが中心となって紅麹サプリ被害救済弁護団が結成されたことをご報告しました。同弁護団結成後、弁護団HP(下記※1ご参照)を通じて全国から100名を超える方々のご相談をお受けして、うち約30名の方々から弁護団にご依頼頂き、現在、小林製薬と交渉中です。全国からご相談を受けていることもあり、東京三会所属の弁護士にも弁護団にご参加頂きました。被害実態に即した被害救済のため、弁護団として活動しています。

(全国統一協会被害対策弁護団)
過去に統一協会相手に元信者の損害賠償事件を担当したこともあり、阿部氏殺害事件後結成された全国統一協会被害対策弁護団に一団員として参加しています。本年2月には、大阪弁護士会との共催で、同会館内で「あなたの知らない統一協会の真実」と題する集会を開催しました。講師に全国弁護団の副団長紀藤正樹弁護士、前岐阜県弁護士会会長神谷慎一弁護士(学生時代統一協会に入信し脱会後司法試験に合格し被害救済活動に参加)、さらにジャーナリストの鈴木エイト氏をお招きしてご講演頂き、会場参加者と質疑応答を行いました。全国弁護団は日弁や法テラスとも連携し、被害相談をうけ、交渉受任、さらに東京地裁に1~5次の集団調停を申し立て、うち183名の調停が成立しました(12月24日現在。下記※2全国弁護団HPご参照)。私が担当した被害者も、うち1名は調停が成立し、2名が調停中です。今後、関連する山上被告人の刑事事件や、解散命令の高裁決定が年明けにも見込まれますが、全国弁護団による被害救済活動はまだこれからも続きます

(実践PL法改訂)
1995年の製造物責任法(PL法)施行と同年に初版「実践PL法」が刊行され、その20年後の2015年に第2版として改訂された後も茶のしずく事件等PL法の判例が集積されていることから、第3版の改訂作業を進めています。この間、民法改正に沿ってPL法の時効期間に関する条文が改正されただけで、抜本的な改正はされませんでした。そうこうしているうちに我が国のPL法の元となったEU指令が大きく改訂されました。デジタルプラットフォーマーやAIの出現等社会の構造変化に合わせてPL法を改正する必要と共に、そもそも我が国PL法が制定後30年を経て被害救済にどれほど役立っているのか否かについても検証したうえ、抜本的な改正の議論を行う必要がありそうです。

(諸活動)
その他、豊島事件に関しては資料集の編集作業を地道に続けています。また、住宅紛争審査会での相談・調停事件や遺産分割、離婚等の家事事件、破産・債務整理等種々の事件に日々取り組んでいます。さらに、つい最近大阪弁護士会の懲戒委員会に所属して案件を担当するようになり、弁護士の在り方を色々考えさせられています。

※1紅麹サプリ被害救済弁護団HPhttps://benikoujisup-higaibengodan.jimdofree.com/
※2全国統一協会被害対策弁護団HPhttps://www.uchigai.net/