弁護士の近況報告

国府 泰道

国府 泰道

今年の上半期を振り返って

 1月・2月には、日弁連会長選挙がありました。政府の政策に迎合的になりがちな日弁連を変えようということで、及川智志候補を擁立しその選挙事務長として関わりましたが、残念ながら3位に終わりました。それでも5弁護士会で最多得票をとることができました。
 4月には、参議院法務委員会における民事裁判IT化法案の審議に参考人として出頭しました。13年前に衆議院の参考人として出ており、今回は2回目の経験です。13年前と大きく変わっていたのは、過去の委員会審議をいつでもインターネット中継の動画で見ることができるようになったことです。
 6月には、東京で開かれた日弁連定時総会に出席して、法定審理期間訴訟手続についての日弁連の対応の不十分さについて、質問しました。過去30数年で総会出席は3回目です。そのうち質問に立ったのは2回ですので質問率は高い(笑)
 下半期も、充実した1年になるよう頑張ります。

下枝 歩美

下枝 歩美

 昨年、双子の女の子を出産しました。早いもので、8月で1歳になります。
 誕生日には、写真スタジオで写真を撮って、家でスマッシュケーキをしようと計画しています。スマッシュケーキとは、幼児でも食べられる甘さ控えめのケーキを手掴みで食べてもらうイベントです。スポンジの代わりにパンを使ったり、生クリームの代わりに水切りヨーグルトを使ったりして、フルーツで飾り付けをします。
 私が子供の頃は、写真スタジオなんて行ったことありませんでしたし、スマッシュケーキもありませんでした。最近の子供はイベントが多くて良いですね。
 娘たちは4月から保育園に行っています。仕事が終わって、保育園に迎えに行き、夕食(離乳食)を食べさせて、お風呂に入れ、寝かしつけをすると、あっという間に一日が終わってしまいます。すくすく成長してほしいです。

田中 厚

田中 厚

料理と俳句とハムスター

 今年に入って3月頃から料理を本格的に再開して、焼き魚、煮魚、天ぷら、鍋物、ステーキ、サラダなどを作って食べています。素材を厳選しても外食より遙かに原価は安く、しかも美味しいものが食べられます。
 アスファルトジャングルで荒みがちな心を癒やすためにハムスターを飼いました。ユーモラスで愛嬌があってきれい好き、文句なしに可愛いです。
 7月から俳句の会に入り、発表しました。俳号は田中飄然子。
  西瓜食べかつての畑の香を憶ふ(入撰)
  ハムスターさくらんぼうを囓りけり
  陽の強く氷の暖簾潜りけり
  乙女らと食ぶる西瓜も乙なもの

日髙 清司

日髙 清司

 弁護士会消費者保護委員会が、消費者センターの相談員さんと共に消費者問題を検討する共同事例研究会に、久しぶりに参加して睡眠薬被害救済弁護団の活動を報告しました。昨年5月報告予定がコロナで丁度1年延期になり、報告者担当者が今年は参加できないことによるピンチヒッターでした。同時に、第4部会のメンバーがジェネリック医薬品(後発薬)の問題点についても報告しました。本年6月20日付朝日新聞朝刊1面の記事にもあるように、後発薬の製造方法不正問題を契機とした医薬品の供給不足は一部新薬にも及び簡単には解消しそうにありません。製造過程の監視監督による不正防止策にとどまらず、薬価基準の算定や社会保障制度を含め調査・研究を行う予定です。前回の近況報告以降も弁護団・4部会のメンバーとジェネリック医薬品問題に取り組んでいます。

三木 俊博

三木 俊博

与謝蕪村展を観覧する

 6月下旬、ひさびさに美術展に出かけた。
 長くコロナ禍が続き、趣味の美術展巡りもすっかり足が遠のいてしまっていた。最近は体調不良も重なったことから、同僚に肩代わりしてもらうなどして仕事優先から養生優先に切り替えた。すると、体調も次第に好転してきたので、本当に久しぶりに池田市の逸翁美術館での「与謝蕪村展」に出かけた次第。
 蕪村は江戸中期の大阪生まれの高名な俳人と知っていたが、また「菜の花や月は東に日は西に」などは知っていたけれど、国宝・重文指定も受けた書画を創作した画人でもあるとは知らなかった。特に、先輩芭蕉の名文・俳句を筆写し、独自のさし絵を添えた「奥の細道画巻上下2巻」に興味をひかれた。蕪村の軽妙なイラストで、あの「奥の細道」がより身近に感じられた。

脇田 達也

脇田 達也

『サラ金の歴史 消費者金融と日本社会』(小島庸平、中公新書)

 極めて興味深い本です。昭和の臭いの濃いサラ金創業者たち、審査の様々な創意工夫、家計とジェンダー。読み物として面白いだけでなく、経済と社会の背景からサラ金が立ち上がってくるさまが、経済史の醍醐味を感じさせます。
 しかし強烈だったのは、やはり、私が弁護士になった約20年前頃の、サラ金拡大期の分析です。今思えば、当時の破産の状況は異常だった。その理由がやっと分かりました。
 拡大した原因は、①各社がスケールメリットを追って拡大競争に突入したこと、②消費者団体信用生命保険の支払原因は自殺が25%など、尋常でない取立を行っていたこと、③その取立をする従業員も、取立経験豊富な管理職から追い込まれているという超ブラック体質だったこと、④サラ金がバブル期に無傷だったことや大量CMのイメージアップで、貸付資金の調達が容易になったことがあげられます。
 そして貸倒率は、驚異の10%超え! 10人に1人が破綻してもまだ儲かっていたのです。